絵空事の切れ端

                        好きなものは好きって言おう

いくつになってもやっぱりラブコメっていいよね(3,4月の本の感想)

 日々の業務お疲れさまです。6月に入ったので慌てて更新したのが私です。

 ついこないだまで重ね着してたのがあっという間に夏日が多くなり、日本には本当に四季があるのか疑問に思えてきませんか。

 

 春アニメも佳境を迎え始めるころですが、「月がきれい」というアニメが今期では一番楽しみです。

 スマホ世代の中学生同士の瑞々しい恋愛模様を描いたものなんですが、何と言っても主人公である小太郎の行動力が素晴らしい。最初は小説家志望のいかにもな陰キャラだと思っていたのに、まさしく「やるときはやる男」で見ているこっちもスカッとします。あと二人きりの時の描写がとてもいじらしくてなんとも言えない気持ちになります。神社での逢引とか、図書室の逢引とか、古本屋での逢引とか……羨ましいなぁおい! 何度顔面が大変なことになったかわかりません。自分の中学生のときの恋愛もいちいち思い出してしまうので、余計に恥ずかしいです。

 

 そんな雑談も挟みつつ、一年はやろうと決めた隔月式の本の感想を書きます。今回はラブコメ多め。

 

 

ほま高登山部ダイアリー (ガガガ文庫)

ほま高登山部ダイアリー (ガガガ文庫)

 

  好きな人に告白したら「山が好き」だと捉えられ、なぜか一緒に登山部に入ることになった少しかわいそうな境遇な主人公・冬馬の青春登山物語。鈍感系主人公ならぬ鈍感系ヒロイン――いや、いくらなんでもそこは気づいてあげようよ!

 しかし好きな人いるところ、人はどんなところであろうと輝いて見えるのだから不思議である。クセのある先輩たちに翻弄されつつも、いつしか登山の初歩的なイロハや楽しさを冬馬視点を通じて共感できるのが良かった。登山のこともライトな切り口でわかりやすいし、是非ともシリーズ化してほしい。

 

  最終巻のあとがきからもう1冊おまけが出ると聞いてから6年ぶりの刊行。長かった。

 あまりにも時間が経ちすぎて懐かしい空気に浸りながら「この人誰だっけ……?」と思う場面もしばしばあったけど、晴れて亮士くんの彼女となり完全デレ期と化した涼子さんの破壊力は凄まじかったし、リンゴとまさかのあの人がカップリングされるとは思わなくて意外だった。あとやっぱこの語り部の雰囲気好きだなあ。

 

 入学式で出会ったクラスメイト。それは好きな小説のヒロイン、そのものだった。

『失恋探偵ももせ』の人の新作ラブコメだったし、導入も一見ありふれているようでそうでもなかったのが気になったので読みましたが、これがヒット。自分が好きなのは『物語のヒロイン(として完結している)』としての時子なのか、『現実世界で暮らしている(これからどんどん変わっていく)』時子なのか、主人公がわからなくなる場面は「なるほどこういう苦悩もあるのか」と思ってしまいました。時子がたまに見せる積極性も大変いじらしく、いい青春物語でした。

 

ニアデッドNo.7 (電撃文庫)

ニアデッドNo.7 (電撃文庫)

 

 『エスケヱプ・スピヰド』の人の新作。

 生者でも死者でもない中途半端な存在『ニアデッド』として異形と戦うことを強いられた赤鉄は、自らの死の理由と本当の名前を探す。その真実は、なんとも救われない悲しい恋の物語であった。スピード感伴う剣戟描写はさすがの一言。赤鉄を気にかける銀髪赤目の寡黙系ヒロイン・紫遠もかわいかった。

 

 

 それ、お前のセリフなんかい!!!!

 

 とツッコまざるを得ないタイトル回収がありましたが、思い返すとたしかにこれ以上ない友情の話でありました。ここまで一学期編ということで次からは新章らしいんですが、これ以上やることあるのか……? とはいえジョーロとパンジーがどうなるのかまだわからないですし、これからも期待。

 

  ええ……これどうすんのまじで……。

 誤解が誤解を生んで二転三転し、最後には爆弾を落とすことがお決まりになってきた作品でしたが、今回はそれが特大級でした。まさしく表題どおりだよちくしょう! 天道さんもいちいちかわいそうだし、千秋もいちいち報われないし、アグリに至っては本彼より景太と過ごしている描写の方が多い上にこれだからね……。いやー、楽しくなってきましたねえ!

 あと今回の景太と千秋の修学旅行にまつわるぼっち描写は、そういう経験がなくても悲しくなってくるくらい堂に入っていた。これはきっつい。