2012年ラノベまとめ
というわけで年が変わるまで時間もちょっとできたのでちょいちょいやってきますよ。いつもは男の子と女の子を好きなキャラ10人抜き出してそれについて語るってやり方だったけど。今回はシンプルにシリーズ10個にまとめました。
今年はモバゲーにハマッてしまったおかげで読書量が去年よりも圧倒的に下がり、優先度の高い順から読んでいったおかげで自分の中で「こりゃ思わぬ掘り出し物だったぜ」ってやつとかそれ以前に内容自体が面白味にかけてるかもしれません。そこらへんはご了承ください。来年は立て直す予定です。
それじゃあサクサクやってきます。
ソードアート・オンライン (9) アリシゼーション・ビギニング (電撃文庫) 川原 礫 abec アスキーメディアワークス 2012-02-10 by G-Tools |
1巻刊行時から好きでしたが、アリシゼーション編に入ってからはそのおもしろさもより加速度的になったと思います。続きを待つのが我慢できずにWeb版読んでしまったし。まあそれも途中で止まってるんだけど。おれはユージオが好きすぎてかなり感情移入してます。最初はただのフラクトライトに過ぎなかった彼が、どういう意志を貫いて正義に挑み、アリスへと到達するのか非常に楽しみでなりません。すべてが終わったら彼自身がどうなるのかも含めてね。
東京レイヴンズ8 over-cry (富士見ファンタジア文庫) あざの 耕平 すみ兵 富士見書房 2012-10-20 by G-Tools |
もうほんっとうに「あーおもしろかった」って言葉じゃ足りないくらいに衝撃だった。度肝を抜かれるってこういうことなんだって体験しました。数々の真実をはいどーん! 次どーん!ってばかりに立て続けに投げられた上にヒロインの夏目がまさかのまさかの……って展開にはマジで開いた口がふさがらないどころか切なさ極まって春虎ばりの慟哭ワンチャンあった。もうさ、京子とも仲直りできてよかったね、これからもわたしたち正々堂々な恋のライバルだねうんうんって感じになったところでこれだからね。
さあ春虎。これからもういっちょ、男を見せてくれよな。
エスケヱプ・スピヰド (電撃文庫) 九岡 望 吟 アスキーメディアワークス 2012-02-10 by G-Tools |
簡潔に言うなら「これぞ大賞!」と呼べる安心安全設計。高いクオリティを堅実に維持しつつも作者の趣味を遺憾なく発揮してて非常によいと思います。キレイに1巻を終わらせたにもかかわらず、2巻もまったく違和感のない続編となっていてそこらへんも好感もてました。戦闘描写がまたかっけーんだよ。
鬼虫という至極の戦闘兵器として生まれた九曜を実直で不器用な叶葉がうまく御しててまったくいいコンビなんだよなこれが。こういう信頼関係から生まれるあったかい物語はもう大好きだからさ、付いて行くしかねーっすよ。
魔法少女育成計画 (このライトノベルがすごい! 文庫) 遠藤 浅蜊 マルイノ 宝島社 2012-06-08 by G-Tools |
まあすでに各所で話題になったと思いますが、本当に良い意味でなんの生産性もない醜悪な物語だった。キャラが次々に機能的に死んでいくのを目の当たりにすることができます。あとに残るのってただただ後味の悪い「ああ……」って仄暗い余韻だけだからね。たまにはそういうのがあってもおれはいいと思うんですよね。そういうの読みたい気分ってあるよね。
続編に当たるrestartも前編は「流行りのネトゲ物にあやかろうとしたのか?」って違和感があったんだけど後編で巻き返されたからまた「ああ……」ってなりました。ちなみに好きなキャラはラズリーヌでした。みんなは誰に感情移入して読んだかな?
なれる!SE〈6〉楽々実践?サイドビジネス (電撃文庫) 夏海 公司 Ixy アスキーメディアワークス 2012-02-10 by G-Tools |
基本的にこのシリーズは無理難題を押し付けられた工兵が「もう無理」ってところで室見さんが機転を利かせてくれたり、誰かとの掛け合いを通じて自分で解決の糸口を掴んだりして最後にビシッと決めてくれるんだけど、客先常駐の話は胃がキリキリキリキリキリしっぱなしで正直吐くレベルだった。目からうろこどころじゃなかった。人間を人間とも思わない過酷な環境にあの室見さんですら音をあげたほどだったからね。この話を1巻でやってたらそりゃ色んな意味で話題になってたでしょうね。
まあそれでもこのシリーズ好きなんですよ。他にはない魅力がたしかにあるんだよね。
東雲侑子は全ての小説をあいしつづける (ファミ通文庫) 森橋ビンゴ Nardack エンターブレイン 2012-05-30 by G-Tools |
もどかしい! こそばゆい! いじらしい! いやー、もうどれだけ悶えさせられたかわかったもんじゃないですね。英太の心理描写がありありと伝わってきて、こっちまで初恋思い出しちゃったよチクショウめって感じです。恋を通じて徐々に変わっていく二人を見てて、年甲斐もなくいいなーなんて思ってしまいます。
とにかく侑子さんがかわいいんだこれが。なんなんだこのかわいい生き物は。なんなんだこの圧倒的なヒロイン力は。理屈じゃなくてこう心から「かわいい」と思えるヒロインなんですよね。まあ全3巻だし、読んだほうが早いと思います。読めばわかる。
ベイビー、グッドモーニング (角川スニーカー文庫) 河野 裕 椎名 優 角川書店(角川グループパブリッシング) 2012-03-31 by G-Tools |
ユニクロのシャツとデニムのミニスカートを合わせた死神の少女を通じて見える数々の死生観は美しく、ときに儚い、けれど澄み切ったもので読了感がとても心地いい。誰かのためのやさしさが、その誰かに届いた瞬間のあったかさがとても好き。そういうのを表現するのが本当にうまい作家さんだなあと思いました。
ボンクラーズ、ドントクライ (ガガガ文庫) 大樹 連司 白味噌 小学館 2012-01-18 by G-Tools |
恋愛モノというよりはまっすぐな青春モノだった。すごい涙腺を刺激されたのが記憶に新しいです。特にエピローグのあたりに感情移入してしまうと避けられません。恋と友情のどちらを取るのか、その選択肢を迫られた佐々木の気持ちを考えると「いいやつだなあ」と「なんでそうしたんだバカ」って思いがせめぎ合うんですよねー。男同士の友情もきっちりと描いた上での結果だったのでいかんともしがたい。
下ネタという概念が存在しない退屈な世界 (ガガガ文庫) 赤城 大空 霜月 えいと 小学館 2012-07-18 by G-Tools |
タイトルと表紙と冒頭では想像もつかなかったけど、最終的にはそういう感想に落ち着いてしまったので仕方がない。インパクトも大きい分意外性があって逆によかったという例。まあヒロインの口からは隠語のオンパレードなんですけどね。でも終始エロテロに徹してるのに、たしかに青春モノなんだよ。
一切の性的知識の流布を禁じられたディストピア。そんな世界に一矢報いる本作であるけれど、今の日本はこの世界観を笑えないよなーとも思う一作でありました。
レンタルマギカ 最後の魔法使いたち (角川スニーカー文庫) 三田 誠 pako 角川書店(角川グループパブリッシング) 2012-07-31 by G-Tools |
高校生のときから読み続けてきた本作はすごく思い入れのある作品です。あーついに終わってしまったな、と。
あの臆病者のいつきが、こんなにも肝が据わって頼り甲斐のある主人公になると当初はまったく想像してませんでした。気づけばアストラルの面々も賑やかになり、ときに離別しながら社長としての決断を随所で迫られるいつきを支えたものは、他ならぬ絆です。各キャラの見せ場もいっぱいあったし、まさに感無量とはこのこと。いつきが掴んだその手の相手は、まあ想像通りだったかな。