ソーシャルゲームに負けたと感じた瞬間(7,8月の本の感想)
日々の業務お疲れさまです。絵空です。
この前まで暑かったのが嘘みたいに寒くなってきました。また冬という季節がやってくることに憂鬱になってきます。どちらかと言えば暑いほうがマシなので……。
最近話題のアズールレーンを始めて、FGOと二足のわらじ状態で進めているのですが、ソーシャルゲームの同時進行ってやっぱ時間がゴリゴリ減ることに改めて気付かされました。そりゃ家庭用ゲームが廃れるわけですわ、という思いでいっぱい。アズレンはスタミナの概念がないので時間に追われることはほぼないですけど。
FGOは英霊剣豪のシナリオが久しぶりの当たりで読んでておもしろいし楽しいですし、アズールレーンも操作のテンポがすごく良くて艦これと違いプレイにストレスが一切ないので、ちょっとこれは長くプレイできそうな気がします。スマホでできるのが大きすぎる。おかげであんなに熱があったイカもポケモンもあまりやれてません。
アクティブなソーシャルゲームがひとつからふたつになるだけでこう思うのに、それ以上並行してやってる人は煽り抜きですごいと思います。どうやって時間やりくりしてるんだろう。不思議でなりません。
そんな前置きをはさみつつ、いつもの隔月読書感想です。例によっておもしろかったのをピックアップしてお送りします。
アナライ博士を介して、ついに共同の作戦に乗り出した二人の知将。そして『ねじ巻き精霊戦記』というタイトルの核心を突いた、驚きの真実が明かされる第二部のターニングポイント的なお話。
今までの世界観をまるごとひっくり返したような衝撃で、「そう来たか……」というのが正直なところ。ワクワクが半分と、そうであってほしくなかった気持ちが半分でせめぎ合ってる。これでおもしろくなくなったというわけでは決してないけれど、むしろ震えるほどおもしろいんだけど、最後までハイファンタジーを貫いてほしかった気持ちがないといえば嘘になる……。
それでもここにきてヤトリのことを描いてくれたのはよかった。
三段へ昇格した銀子は、三段リーグという魔境へ。その戦いは凄絶の一言。上を見れば神に愛された将棋星人、下を見れば才能あふれる化物揃いのルーキー。彼らの前では『凡人』でしかない銀子はそれでも抗い、もがき、死力を尽くして食い下がる。ここまで上がってきたのは一人の背中を追ってきたからであり、その約束はいまだ遠い。
桂香さんのときといい、勝負の世界で凡人を凡人として抉ってくるのがさすがだった。自分には決して届かない世界があるということを突きつけられる絶望は、読んでいてつらかった。なのに震えるほどおもしろい。やっぱこの本でしか読めない体験があるよ。このタイトルには。
ところで『ロリコンを殺す服』を着たあいちゃんのイラストがなかったんですけど、もしかして乱丁だったりします?(錯乱)
トランスジェンダーの姉、引きこもりの妹、中年フリーターの父、そして中退寸前の主人公・一慶というおよそ社会的に『普通ではない』マイノリティで構成された平浦家。しかし社会の風当たりの強さを物ともせず、お互いの生き方を尊重し合うやさしい家族の在り方を描いた作品としても、家族以外はどうでもいいと思っていた一慶が他人を信用できるようになる青春小説としても、完成度の高い作品だった。今年の新人賞作品は『86』の一強だと思ってただけに、いい意味で期待を裏切られました。
人生誰とも一切関わらないという生き方は不可能であり、誰かと関わる上で理解ができないことは多々ある。それでも誰かと関わったからこそ得られたものは、人生でかけがえのないモノになるかもしれない。わからないものに触れてみるのも、案外悪くないかもしれない。そういうものが長いページの中にありったけの熱量を込めて描かれていた気がします。非常にオススメです。
ゼロから始める魔法の書X ―ゼロの傭兵〈下〉― (電撃文庫)
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ゼロの書をめぐる旅もここで一端のおわり。
王道のロードファンタジーは最後までテーマが一貫しており、よくやり切ってくれたという思いでいっぱいです。やっぱりゼロと傭兵の関係性は好きだなあ。その裏で描かれていたリーリと神父の関係性も非常においしいと思います。
12月からまた新章がスタートするのでそちらも楽しみ。でも村作りからのスタートって、どうやってシリアスに持っていくんだろう。
長かったこのシリーズもようやく完結。
社内競合という形で相対することになった工兵と立華さん。最後の戦いも非常に熱く、SEという過酷な職業をこのようなエンターテイメントに仕上げてくれた夏海先生には大きな拍手を。2年目にしてパイプも多い工兵はすっかり歴戦のSEのような存在になりましたね。
それでも最後の工兵の選択にはびっくりしました。いや、そこはアルマダに行くべきなのでは?
響け! ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部、波乱の第二楽章 前編 (宝島社文庫)
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あすか先輩や小笠原部長の元3年が抜け、優子先輩が部長の新体制でいく2年生編。
低音パートに入ってきた1年生もまた曲者揃い。そこに3年の加部ちゃん先輩のことと、久美子の悩みは尽きることがない。1年のときよりも部の潤滑油と化した久美子の働きっぷりがすごかった。社会人か……?
前編はAメンバーのオーディションまでだったけど、色々ハードな展開の先に待っていた夏紀先輩のカッコよさがたまらなかったです。